俳優 依田哲哉さん

熊谷を盛り上げる 依田さん

埼玉県北部地域で最大の人口を誇る熊谷市。
そこで観光協会職員やラジオパーソナリティとして、地元熊谷を盛り上げる依田 哲哉さんは、俳優としても映画・ドラマ・CMと幅広く活躍されている。

熱意や計画性がある訳じゃなく、子どもの頃から人を楽しませることが好きなだけ。
ただ流れに身を任せて、今があるだけだという。

勇気を出して叩いた劇団の門

俳優になるキッカケとなったのは、高校生の時。
早くに部活も辞めて、夢中になれるものを探し求める日々を送っていた。
充実したいけど、何をしたら良いのか分からない。
そんな様子を見かねた兄から、アマチュア劇団を紹介された。
「劇団シナトラ」
熊谷市を拠点に演劇活動する社会人の劇団だった。
悶々と悩む答えを求めて、意を決して門を叩いた。
植木屋やトラック運転手、郵便局員や学校の先生。
様々な職業の大人達が、青臭い自分を受け入れてくれた。
そこでの交流はとても楽しく、自分にとっての青春だった。

その場で創り上げる芝居

高校卒業後は、劇団シナトラ座長の出身校だった日本映画学校(現 日本映画大学)に進学した。
個性的な仲間に恵まれて充実した学校生活を送ったものの、卒業後は社会に放り出されてフリーターに。
時折 知り合いの舞台に出演する中、ふと目にした「即興芝居」に惹かれた。
台本も演出もない、役者自らが物語を創り出す。

こんな面白そうなこと、自分抜きでやられてたまるか!
普段感じられなかった熱意が込み上げてきた。
即興エンターテイメント集団『東京コメディストア・ジェイ』
始めは客として観覧を重ね、演技ワークショップへの参加を経て、なんとかメンバーとして入団にこじつけた。
その場で起きたことを使って、お客さんの反応を見ながらお芝居をする。
流れを決めずに、その場の雰囲気で自由に創り上げることが面白くて、7年間活動した。
その後も「即興パフォーマンス集団:D(コロンディー)」に所属し、現在も活動している。

人の笑顔が自分の喜び

色々なアルバイトを経験したが、中でも印象に残っているのがケーブルテレビのアルバイト。
お客様のお宅に訪問して、リモコン操作などをサポートする。
ただマニュアルを渡すだけではなく、手書きで工夫を凝らして丁寧に説明した。
お客様の年齢や反応を見ながら、声の大きさや文字の大きさを相手に合わせる。
真剣に相手に向き合うことで、指名がかかるほど喜んでもらえた。

やがて俳優プロダクションに所属し、映像の仕事が増えていくなか、住まいを都内から地元熊谷市に移す。

「僕くらいのポジションの俳優だと、都内に住むのが定石なのですが、熊谷くらいの距離だったら通いでもやってやれないことはないんじゃないかと」

やがて2019年、FMクマガヤが開局すると耳にして、ラジオ好きでもあった依田さんは自分抜きでやられてたまるか!と強く思う。
再び溢れ出た熱意だった。
パーソナリティとして出演し、生放送のスタジオで、シナリオ無しでその場の流れを自ら創り上げる。
将に即興芝居が活きる仕事だった。
同じ頃、観光協会でも働くことになった。
「花火大会などのイベントは規模が大きく、大勢の人を笑顔にできる。
すごい仕事だと感じた。」

俳優として映画やドラマで観る人を楽しませ、ラジオを通して聴く人を笑顔にし、観光イベントでは参加する人を喜ばせる。
いろんな顔を持ち、周りと協調しながら、楽しませてくれる依田さん。
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