NAGOMIDAデザイン

絵本作家 わださん

鎌倉の小さな会員制図書館「かまくら駅前蔵書室」。

鎌倉好きの個性豊かな人が集まり、交流の場となっている。

そこで毎月開催される「心がぽかぽかになるパステル講座」。

パステル粉を使って、心で感じたものを気の向くままに指で描き、色のイメージや感覚を楽しみながら心を癒す。

講師は、絵本作家でNAGOMIDAデザイン代表の「わだ」さん。

一緒に笑顔になってほしいという想いで講座を開いているのだという。


かまくら駅前蔵書室


失ったアイデンティティ

福岡県出身のわださんは、日本デザイナー学院九州校を卒業後 上京し、グラフィックデザイン事務所や出版社で働いた。

「必死にやってました。

締め切り前の1 週間は泊まり込みとか、シャワーだけ浴びに家へ帰るとか当たり前でした。

いろんなことを勉強させてもらったし、自分の創ったもので人が喜んでくれている実感がして、楽しかったです。」

都内で働くストレス、厳しい業務…

終電で窓の外を眺めていると、突然冷たい涙が頬をつたう日もあった。

それでも、デザインの仕事に確かなやりがいを感じていた。


しかし結婚後、次第にデザインと距離ができた。

家事に追われ、子育てに追われ、さらには家庭でのトラブル。

後に子どもを連れて家を出なければならないほど、家庭での苦労が続いた。

デザインから離れてやりたいこともできないまま、自信も自己肯定感も失う中、子どもの存在だけが自分の支えだった。

娘からもらったキッカケ

そんな折、娘が原因不明の病いになってしまった。

病院を渡り歩き、何ヶ月も入院することに…

自分を責めて思い悩んだ。

家庭のトラブルで、娘にも心労をかけていたのではないか、

娘を守ってあげられなかったのではないか、と。


そんな時に生まれたのが、絵本だった。

降ってきたピンクのうさぎのイメージ。

大急ぎで描き始めた。

娘に笑顔になってもらいたい。

その一心で描いた『うさぎのうーさん』。

娘に読んでみせると…笑ってくれた。

「私が、ものづくりで誰かを笑顔にできたこと、本当に幸せだなって感じた瞬間でした。」

次も描いてみよう、そう思った。

自分を認め お互い称え合う社会

「自分に辛い時期があったからこそ今があるし、その経験を無駄にしたくないと思うようになりました。

私は絵本を描いて癒されました。

同じように何かを抱えていたり悩んでいる時、絵を描くことで内在しているものをアウトプットして、無意識に否定していた自分を解放できないかなって。


そう考え、様々な心理学や哲学の本を読み試行錯誤した末、心地よいイメージを促し開放する『色と遊ぶ 心がぽかぽかになるパステル講座』を2021年より始めた。


多くの人が「こうしなくちゃいけない」に縛られすぎている。

それに気づいて、ありのままの自分自身を認められるようになれたら…

お互いの素晴らしいところを認め、称え合える社会になれたら…

どんなに心豊かな社会になるだろう。

絵本やワークショップにはそんな想いが込められていると、優しく微笑んでお話してくれた。

皆さんもわださんに会ってお話しませんか?


NAGOMIDAデザイン

https://www.nagomida.com/